顔出しNG あの○○開発プロジェクト TEAM DISC UP

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特別なこだわりと
思いを詰め込んだパチスロ。
それが「パチスロディスクアップ」。

2018年に販売され、常に稼働率ランキングの上位を維持し続け、累計で3万台以上のヒットを記録した「パチスロディスクアップ」。今回は、当時の開発チームと営業担当が、開発時のこだわりやウラ話を語ります。

対談メンバー

  • Aさん

    開発部門 商品企画

  • Bさん

    開発部門 機械・機構設計

  • Cさん

    開発部門 プログラマー

  • Dさん

    開発部門 デザイナー

  • Eさん

    営業部門 営業

最後までブレなかった、
3つのコンセプト。

Aさん

この「パチスロディスクアップ」には3つのコンセプトがあるんです。1つ目は『ユーザーの期待を超える技術介入機』。5号機の技術介入機は、ボーナスを引いたあと技術介入役を引いてもあまり意味がないものばかり。だから、引けば引くほど、やればやるほど得をするユーザーが期待するものを超えた「真・技術介入機」をつくりたいと思ったんです。

Aさん

2つ目は『進化したボーナス』。プレイヤーは『あそこの特化ゾーンがやりたい』とか『あの状態がやりたい』みたいな、機械ごとにやりたいところがあると思うんです。そこでディスクアップは、ビックボーナスの消化をこの台で一番楽しいやりがいのあるゾーンにすることで、多くの人に楽しんで打ってもらえるかなと考えました。

Aさん

3つ目は、『運と技術でつかみ取れ』。『DANCE TIME』という運で獲得するところと『DJ ZONE』という真・技術介入で獲得するところを設けました。その2つの要素が絡むことによって、「うまいのに負けた、悔しいまた打ちたい」、「そんなにうまくなかったけど運よく勝てた、楽しかった」という様々な勝ち負けを味わえて、相乗効果が狙えると考えました。

Bさん

今回は、開発する上で、『コスト』にもこだわるという話だったので、筐体のベース設計から、いろいろな機能を取捨選択していきました。画像も液晶もないという話だったので、過去に開発した基板を活かしたり、会社全体で取り組みを進めているリユースを意識するなど、試行錯誤しました。

Dさん

そうなんです。それに加えて、メインの大型液晶を使わずにサブの小型液晶だけを使って、ドット表現でディスクアップの世界観を表現しなければいけないので苦労しましたね。後は「パチスロディスクアップ」は『早い・楽しい・高品質』という3つの言葉を掲げて立ち上げたプロジェクトがこの機械の発端なので、製作期間も相当短かったですね。今の液晶機は通常であれば2年かかるところを、今回は1年以内で開発したんですよ。

Cさん

初代ディスクアップのときと規則も違いますし、まったく似たようなものをつくろうとしてもレギュレーションが違うので、苦労した点はたくさんありますが、一貫してコンセプトがブレずに開発することができて、よかったなと思います。

初代機への愛情と
それぞれのこだわり。

Bさん

私は初代ディスクアップが大好きなあまり、筐体まで買っているんですよ(笑)。サミーに入って、ディスクアップの開発に関われるなんて夢のようです。自分はノーマル機の出目がちゃんとしている台が好きなので、配列も初代の左リールの配列を絶対に再現したいとお願いして、中右の配列にもこだわってもらいました。できた配列から初代のリーチ目を再現するためには、この形が基本になるというのをリストアップして、「この形を基本にしてテーブル組んでくださいってお願いしたのが一番こだわったところですね。

Aさん

今回の狙いは昔のユーザーの呼び起こしだけではなく、新しいユーザーを開拓していって、パチスロ業界の発展につなげることです。そのため、目指したのは多くの人にとっつきやすい演出バランス。この台は出目で察知する、全部止めるまでは、ドキドキさせるという楽しみをつくりたかった。なので、「すごい熱い演出が出たけれど、たまにはガセるんだぞ」という遊びごたえをあえて意識しましたね。

Cさん

開発メンバーのなかで、初代の開発状況を知っているのは僕だけなんです。なので初代のプログラムを引っ張り出して、そのテーブルデータを今のツールで確認できるように資料をつくったりもしましたね。特に気に入ってるのは「音」なんですが、初代からあったビタ押しのときに鳴る効果音は、もともとうちのJAPAN2というCT機の強予告音として使われていた音なんです。その「ジュワン」という音を再現したくて、「とても強い音でなおかつ気持ちいい音だから再現してほしい」とサウンドさんにお願いしたら、これがすごく良くて。今回の「パチスロディスクアップ」でもまた使ってもらえて嬉しいですね。

Dさん

私はキャラクターデザインを担当したんですが、最終出力形として液晶に出るのが単純なドット絵なので、非常にシンプルかつ画素数が少なくなるんです。パッと見のシルエットの区別がつかないと、どのキャラクターかわからなくなるので、各キャラを並べたときにシルエット化してすぐにわかるようなデザインという点にこだわっていました。たとえばアフロマンの細い体とマントなどそれぞれの特徴を強く表現しました。

異例の出玉率、
設定1「100%」超え。

Eさん

営業の立場からすると、設定1の出玉率が「100%」を大きく超えていると聞いたときは、「そんなの売れないよ!」って正直思いましたね(笑)。ホールさんからすれば、導入すると赤字になってしまう台だし。最初はディスクアップがここまで売れるとは思いませんでした。

Aさん

そうですよね(笑)。でも、出玉率については特別なこだわりがありました。積極的にユーザーを増やすために、「目押しがうまい人じゃないとお断り」みたいな台には絶対にしたくなかったんです。

Bさん

やっぱりディスクアップシリーズに対して特別な思いがある人が集まっているので、次のチャンスはないくらいの覚悟をもってみんなやっていました。市場でダントツで稼動することを目指していたので、出玉率は誰が何と言おうとビタ一文譲らなかったですね。ずっと残る台をつくりたいからこそ、ゆずれない想いがありました。

Eさん

営業するときは、「この台は導入しても利益になりません。」とはっきり念を押していたくらいです。それでも台としてのクオリティや面白さを評価して、買ってくださるお客様が多かったです。

Cさん

僕らもホールさんからの反応を一番心配していましたが、そこは営業の方々のおかげで、クレームが一切ないという結果を聞いて安心しました。さらに追加受注いただきました!と連絡をもらったときにはすごく嬉かったですね。

Eさん

ここまで売れた理由として、ディスクアップが魅力的な台だったというのが大きかったと思うんですよ。ホールさんも、「お客様が増えるのであれば赤字でも導入したい。」と導入してくださったところが多かったですし、出玉率が高いあまり、ネットで「ディスクアップを置かない店はユーザーのことを考えていない!」というユーザーの意見も多くて、多くのホールさんが入れざるを得ない状況になったのも追い風になりましたね。

Aさん

売り上げや、ユーザーの評判からみても「パチスロディスクアップ」は大成功しました。しかし、それだけに満足するのではなく、ディスクアップの後継機をつくれるかということも考えていく必要があります。そのために開発としての目標は、面白い台をつくり続けていくということ。規則が変わった6号機という新たな市場でも、次なる挑戦を仕掛けていこうと思うので、ユーザーの皆さんには、楽しみにしていてほしいですね。