涙でリールが見えない RYO from ケツメイシ

2022.03.29

 日曜日は後輩のライブを観に新宿二丁目に出張してきました。ヨメの友達のゲイバー
のママさん(実はおじさん)の周年イベントのライブに呼んでもらったからです。20年
ぶりに降り立った2丁目は何だか大分変わってしまったなぁという印象。マンボー明け
というのもあるのかも知れませんがとにかく人が少ない。

昔はもっと活気があって、道端でおじさん同士がディープキッスをかましていたり、コ
ンビニの雑誌コーナーにも「Badi」や「薔薇族」といった専門誌が置いてあったりと刺
激的な街だったのですが、今回入ったコンビニは品揃えも店員さんも普通のコンビニ
と全く変わらないものでした。



 28年前、大学の中庭のベンチでうちのメンバー大蔵氏が、

「なんか良いバイトないですかねぇ?」

なんてスポーツ新聞の三行広告(昔、新聞の下欄にあった3行でまとめた求人広告)を見
ていると、

「ホール3万円、21時〜」

なんて書いてあったんです。(新聞を見ながら)

「りょうさん、ホール3万ってあるんですけど、ホールってなんなんですかね?」(大蔵)

「ホールねぇ、、なんだろうね?飲み屋のボーイみたいな感じじゃないの?」(私)

「そんな感じですよね。。とりあえず面接だけでも行ってきまーす。」(大蔵)

なんて言ってから数日後、

「りょーさん、、面接行ったんですけど、、ヤバかったです。なんか薄暗い地下の店で、
おじさんと話してたら『そうねぇ〜、吉田君なら一晩で3万、いや5万はイケるわよ!』
なんてお尻撫でられて、怖くなって逃げてきたんです!ダーって階段上がって、振り返
って看板見たら『美少年』って書いてあって、その時やっと理解しました!」

「そっちの(アス)ホールだったのか!」(私)

なんて話を聞いて、初めて2丁目という街がジェンダー的に複雑な方々が集まる街だという知 ったのです。

あれから30年、テレビにはオネエタレントの方達が溢れ、LGBTQへの関心も高まり、パートナ
ーシップが認められる自治体も出てくるようになりました。私にもヨメの友達でトランスジェン
ダーの知り合いが何人かいるんですが、心と体が一致しなくて悶々とした青春時代を生きてきた
人たちは、生きていくのに何倍も頭を使って悩んで苦しんできた分、そのせいかやっぱり繊細で
天才な人が多いなという感じがします。もちろん、とんでもないアホもいらっしゃいます。

話を2丁目に戻すと、やっぱり昔の方が良かったような気がします。外国人観光客も含めた観光
地になったり、メディアに取り上げられてノンケが来る街になると、もともといた人たちが「じ
ゃあ行くのやめよ」ってますます足が遠のいちゃいますもんね。薄まると層は広がるのかも知れ
ないですけど、結局濃い方が長続きしたりするもんです。

ネットも良くないですよね。ネットがない時代だったら「そこに行けば出会いがあるかも知れな
い」って2丁目に行ってた人が、今じゃマッチングアプリとかで会えちゃうから行く必要も無く
なっちゃいますもんね。ネットって便利だけど、たどり着くまでが簡単だからワクワクは確実に
減りましたよね。



30年以上前はオッ〇イ1つ見るのにも大変な苦労がありました。高校生の私が勇気を振り絞って本
屋さんのレジにエロ本を差し出しても、

「アンタにはまだ早い。。」

なんてレジのおばあさんに差し戻されたり。。それが今じゃ3クリックでオッ〇イが見れてしまう
時代です。そんな時代に育った子供達は将来どんな大人になってしまうのでしょう?簡単に手に
入れたものは簡単に失ってしまいますし、実際本物のオッパイを目にすることがどれだけハードル
が高いかという現実をいずれ知る事になるでしょう。



まあ、そんな話は置いといて、久しぶりに生でライブを観たら楽しかったなぁ。ワクチンも3発打
ったし、ずっとマスクしてたし、便所行くたびに散々手を洗ってたから、多分大丈夫だと思うんだ
けど(←だから減らないんだろうな)。こんな事をいちいち心配しないで、大声で笑ってライブを
観れる日が1日も早く来る事を祈ってます!!久しぶりに人混みに出たのでまた暫くじっとしてい
ます。それではまた来週!!!