涙でリールが見えない RYO from ケツメイシ

2021.08.31

 皆さん、サインって書いたことあります?サインって言っても、

「ピンポーン!宅急便でーす!」

「はーい!、、、、あ、ごめんなさい。ハンコ無いんでサインでも良いですか?」

のサインじゃ無いですよ!


「サインしてー!!」って言われて、

CDとか色紙とかに書く方のサインです。

私が人様に生まれて初めてサインをしたのは恐らく99年。

m-floとかL.Lbrothersの前座でイベントツアーを回っていた頃、

10分そこそこのライブを終え、ライブ直後のお客さんの熱がまだ冷めないうちに

急いで物販ブースに行きCDを手売りしてたんです。

その時、初めてお客さんにCDケースを差し出されて、

「サインしてください!!」

って言われたのが初めてのサイン体験。

「え?!サ、サイン⤴︎??書いたこと無いんですよね。。」

なんて当惑しながら、

「こ、こんなんで良いですかねぇ?ありがとうございます!!」

と書いたのをいまだに覚えています。

「サイン付きはプラス100円です!」

なんて、余りに小っ恥ずかしいものだから照れ隠しに言ったものです。


思い起せば謎なのですが、子供の頃、うちのお兄ちゃんがサインの練習をしていました。

「田中慎」っていうのを縦書きにギリギリ読めるくらい崩して書いてて、

なんかそれがカッコ良く見えて、私も「田中亮」を崩して、

「亮」の最後のニョロのところの「ハネ」の角度を色々分析して、スーパーのチラシの裏に何百枚も書いていました。

アレは果たして今、役に立っているのだろうか?、、、謎は深まるばかりです。


今でもたま〜に3ヶ月に1枚くらい頼まれることがあるんですけど、

それがラーメン屋さんだったり、電車の中だったり、道端だったりするんです。

「サインください!」って言ってきてくれる人は大体ファンだから良いのですが、

書いていると周りの人がジロジロ見るじゃないですか?

我々なんて世間的には無名な存在だから、そのジロジロ見てる人が

「コイツだれ?」

って視線を浴びせてくるのが辛いし、恥ずかしい。

イヤらしい店をスッキリして出ようとしたら、受付に色紙が30枚くらいあって、

またその受付の人がイカついのに妙に低姿勢で逆に恐ろしくて断り切れなくて、

震えながら全部書いたこともあります。


そんなこともあり、いまだにサインは苦手です。下手だしね。

うちのリーダーの大蔵は非常に上手いのでサインは彼に頼むと良いですよ!

私と亮二氏と河野氏はダメ。

字が下手だし絵心がないんです。

最近分かったんですけどサインってバランスなんですよ。


そんなわけで、昨晩ニュースで見た「東海の夏フェス」の「お客さん揉みくちゃ」、「酒出し」&「ゴミの山」はマズイ。

あの代償はデカい。あの一件がまたライブイベントを遠のかせてしまう。

ライブハウスやイベンターがルールを守って、苦労して積み上げてきた社会の信頼に亀裂が入ってしまった。。


コロナ禍でも安全性の高いイベントを実現してきた実績のある主催者でさえ、

地元住民からの信頼を得られなくなってしまっている。

恐らく年内は今後のイベントに影響が出てしまいそうですね。


ちょっと前、香川の夏フェスが開催直前に中止になった時、

我々の仲良しのイベンターの方がインタビューを受けててテレビに映ったのを見ました。

いつも我々のツアーで、

「はぁ、ラーメンが食いたい!あ〜食いたいなぁ〜!」 と我々がワガママを言えば、

「ちょっとラーメンは厳しいですねぇ。」 なんて言いつつも、

「いやぁ〜、あのこってりラーメンの汁が無いと、、喉が乾燥して声が出ないかも、、
、お、なんか足が震えてきたぞ。ステージ上がれないかもー!、、はぁ〜食いてぇー!!」

なんて我々が粘ると、

「それは大変だ!なんとかしましょう!!」と、

翌日には楽屋にラーメン屋さんを出張させるほどの力を持ったナイスガイのイベンターです

(て言うか我々サイテーです。彼曰く「ケツメイシの『めんどくさい度=60%』、まだ上には上がいるそうです(笑))。 


そんな個人的につながりもあるあのひょうきん者が悔しそうな顔で淡々と喋る姿をテレビで見た時はとても辛かった。

準備がある程度進んでから中止にするのって被害も莫大だから本当に大変なんです。

だから今回のニュースになったイベントも突っ走っちゃったんでしょうけど、

やはりやるならちゃんとやって欲しかったですね。

本当にやってる側もお客さんもただ楽しくライブを体感したいだけ。

地域の人も全く関係のない興味のない人たちも、それぞれがそれぞれの立場で言い合いになってしまってて、

見てて本当に苦しい。結局コロナが悪いだけなんですけどね。


延期になった我々のツアーが開催されたら、彼と共に盛大にその喜びをかみしめたいです!

来るべきその日まで。また我慢かぁ、、はぁ。


ではまた来週!!!!