涙でリールが見えない RYO from ケツメイシ

2020.10.13

 先週の金曜日、レコーディングをしていたんですが異変に気付きました。

ラップは全然問題ないのですが、問題は歌です。

歌になるとなぜかデカい声で高音が出ないんです。

甲高ボイスでお馴染みの私(上手い下手は別)ですが、高い声で熱唱しようとすると声が出なくなります。

城南の「声かすれ」おじさんです。

どういう事なんだ。。

半年前はクリスタルキングの「大都会」を熱唱し、あまりの周波数の高さに

ピンパブ嬢たちがしかめっ面で耳を塞いでいたのに。。

 思えば緊急事態宣言からはや6ヶ月、ライブやレコーディング、

カラオケに行く事もなくなり、全く大声を出していない自分に気付きました。

普段の会話は船場吉兆の「ささやき女将」並み、

ましてや日常生活で「声を荒げて怒る」なんてことは全く無い私にとって、

カラオケにでも行かない限り大声を出す機会が無いのです。

 ボイストレーニングなんてやった事もない私にとって(アレは本格派の歌手の方がやるものです)、

週1.2回のピンパブやスナックのカラオケが発声のトレーニングになっていたのかもしれん。

かと言って、カラオケボックスに「一人カラオケ」に行くガラでもありませんし、

カラオケというものは皆が見ている前で、なおかつステージで歌うから気持ちEのです。

 全国ツアーに出る
     ↓
ふらっと入った地方の寂れた「スナックorピンパブ」にワンセットで入店
     ↓
周りはイカつい常連客。
自分は気持ち良さそうに歌うくせに、他人の曲は全く聞いていない 
     ↓
液晶には続いて歌われる曲目が表示
自分の選択した曲が1段、また1段と上がってくる。。


「あと2人で回ってくる。。」


緊張で吐きそうになるあのドキドキ
     ↓
「えーい!」と勇気を振り絞り壇上に上がる
     ↓
 常連客を完全にロック
     ↓
 店全体が笑顔で熱唱
     ↓
「飲みなよ!」と常連のじいさんからビールが届く
     ↓
アウェー会場をひっくり返した瞬間だ。



やはりあの興奮はお友達と行く馴れ合いのカラオケボックスでは味わえない。

ファンの人がわざわざ見に来てくださる「横浜アリーナ」や「大阪城ホール」、

ああ言ったホームグランドで味わう緊張感とは全く種類が違うのだ。

 

思えば初めてのカラオケボックスは30年前の高校生の時。

 当時、友達とよく行くバッティングセンターの回りを取り囲むように何台か設置されたのだ。

カラオケといえばスナックのステージしかなく世のお父さんしかやれなった時代。

それは革命的でした。


カラオケボックスと言う名の通り本当に箱で、4人で入ればギューギュー。

当時は100円玉を入れると1曲歌えるシステム。

みんなで歌い


「こんなに面白いものがあるのか!」


と思ったものです。

少年隊から浜田麻里、トム・キャットから武田鉄矢まで、ウケ狙いとかではなくガチで歌っていたのを思い出します。

 そして予備校、大学時代、カラオケは若者の文化となり、街のあちらこちらに出来たのです。

カラオケが当たり前のものになると、それはもう魅力的なものではなくなりました。

予備校時代にレコードを集め始め、ビビりながらクラブに出入りするようになると、そこにはまた別のステージがありました。

DJの流すレコードのB面はカラオケになっていて、ミキサーに突っ込むだけでライブしている人がいました。

コ、コレはステージ上でやるカラオケじゃないか。。

しかもおじさんじゃなく若者がやるかっこいいヤツ。。


「コレなら楽器ができなくても人前でやれるじゃない!!」

そんな感じでライブ(の真似事)に大学の友人を誘い、

彼らが一人また一人とマイクを握り始めケツメイシの前身のグループが出来たんです。


なーんて話が逸れて昔話をしてしまいました。

要するに私は「ステージが恋しい」と言う事です。

高音問題を解決するために、本日から風呂場で熱唱します!

皆さんも大声出していきましょう。

それではまた来週!!今日もスタジオに行ってきます!

では!!