涙でリールが見えない RYO from ケツメイシ

2020.01.14

 「老いるのは怖く無い。怖いのは目標を見失った時だ。」と言ったのは80歳でエヴェレスト登頂に成功した「セサミン冒険家」こと「三浦雄一郎先生」のお言葉である。
我々はまだアラフィフ。だってのに「もうおじさんだから。。」と、ある程度将来が見えてしまった現状に「挑戦」する事を忘れ、ダラダラと日常をやり過ごし、
1日1日の大切さを感じる事なく生きている。

「このままでは俺たちはダメだ!生きてるのに死んでいる!!」

そう感じた我々は、いつもの飲み仲間(後藤ジャパン)の昨年末の定例飲み会で新たなチャレンジを掲げました。

そう「第13回ママチャリ日本グランプリ〜チーム対抗7時間耐久ママチャリ世界選手権〜」への挑戦である。

調べてみると4つのカテゴリーがある。ママチャリクラス(ギア8段以下の普通クラス。通常参加はコレ)、無段クラス(ギアが無い、違いが分かる男のアスリートクラス)、
ラブラブクラス(真の愛を再確認する為、男女カップルで7時間完走を目指すマグマよりもホットなクラス)、ハイブリットクラス(電動自転車を利用した最新鋭クラス、
無論スタートしたらバッテリーチェンジは不可)の4つである。このカテゴリーの中で、果たしてどれが自分たちを一番追い込めるのか、、と考えた時、

「無段でしょ!!MUDAN!!」

と全員の意見が一致し、「無段クラス」での出場を決意しました。

1/10(金)23時蒲田駅ロータリー集合。会場である富士スピードウェイを目指す。
途中、海老名PAでMr.アートーネーチャーこと世界のKEIRIN王、「中野浩一先生」の動画を見て自分たちを鼓舞。
1/11(土)1時30分現地着。着いてびっくり!モンゴルの遊牧民のようなテントだらけ。我々は出遅れた。全く休憩スペースが空いていない。。

テントなんて用意してない!気温2℃、体感気温マイナスの中、寝袋やタオルに包まって寝る→寝れるわけねー!!と気づけば車検の4時。
「寝たら死ぬ。」と思い、軽く目をつむったところで集合時間の7時。800台近くのママチャリがサーキットに整列する様は圧巻!!

 「第一走者を誰にするか?」問題でギリギリまで悩みましたが、後藤ジャパンJr.の英夫に決定!
ヤツは「彼女が高熱を出した。」→「なんだと!!大変だ!今から行く!!」→「こんな夜中

じゃ電車も無い。無論、金も免許も無い。」→「俺には親から授かった二本の強靭な足があるじゃないか!!」
→「ママチャリで爆走。」→「今から行く!」と言って、着いた頃には日の出。

4時間掛けて埼玉の奥地までママチャリで行った熱い漢。ヤツ以外に第一走者はいないでしょう。

 戦術としては、1人2周(1周4,563km)ずつで回していこうということに。

午前8時、スターーーート!!!

英夫Jr.を見送り約10分後、大志Jr.の携帯が鳴り響く。英夫からだ。スピーカーオンにするも、風がザーザーで何言ってるか全く分からない。

すっ転んで怪我でもしたのかと心配して待っていると、2周回るはずの英夫がピットイン!!

「はぁはぁはぁはぁはぁ。。。、、、、に、、2周は、、はぁはぁは、、無理っス、、はぁはぁ。」

急遽作戦を変更!1人1周ずつに。

「英夫でもそんなにキツイの??」(私)

「いや、、最初は下りばっかで、こんなもんか。って思ってたらそのあと最後の直線入るまでずっと上りなんですよ!!」(英夫)

バタバタで2周目を終えた大志Jr.が真っ白い顔して帰ってきました。やはり英夫Jr.より3分半も遅いラップタイムです。

「もう無理っす。。」

3周目はカツヤJr.。冷たい空気を目玉に直で受けたのか、目を真っ赤にして涙をボロボロ流しながら帰ってきました。無言。

4周目は私。トニセンとして意地の見せ所です。「全部立ち漕ぎで行ってやる!!」そう決意しスタート!
緩やかな下り坂から第一コーナーは急なヘアピン。転倒者もチラホラ。次の直線は長い下り。

「無段クラス」の我々は全く負荷が掛からず漕げなくなります。ペダルを踏み外すと転ぶと思い、
頭を完全に下に潜らせての「直滑降スタイル」からの「スリップストリーム」で空気抵抗を減らします。
それが終わると徐々に上り、最終コーナー直前はかなりの斜度の上りになります。ここで太ももが死んだところで、最後の1.8kmの直線に入り、
ゴール地点間際で右側のピットロードに入って次の走者に交代です。速報によると無段クラスで現在27位。

5周目は後藤ジャパンの最終兵器。私の白金小の同級生、ギョロ目。
ヤツは10年前まで自転車を本格的にやっていて、シニアの日本チャンピオンにもなり、日の丸を背負って世界大会にも出たツワモノ!!

とんでもない走りを見せ、無段クラスの速報で17位とジャンプアップ!!

マズイな。。

「ママチャリ」って聞いてたからピクニック気分のルンルンでのんびり走るのかと思ってたら、完全にガチじゃないか。。。

次の「羽田の二輪オタク」こと名執君は「俺2周行きます!!」と男を見せます。1回ピット作業が無くなる分タイムもまた縮みます。
バイスキャプテン森氏。普段は全身の穴から酒を飲む彼ですが、長身でスマートな分、空気抵抗が少ないのかまたまた好タイム。
続いてまた白金小学校の同級生、エノンプ。

関取の血を引く彼の体重は3桁を下回ることがありません。その巨漢ではチャリを降りなければ最後の上りが超えられません。
でも我々は「one team」!ヤツのロスは皆でカバーします!

「とにかく自転車だけは壊れませんように。」

と祈っていたら無事帰還。続いて、酔うと直ぐに競艇部のようにコクリ、コクリ。「ペダル漕ぐより船を漕ぐ」でお馴染みコバ。
戻って早々、地べたにひれ伏して「はぁはぁ〜」IKKOさんみたいな甲高ボイスで喘いでいます。

この10名でひたすら7時間漕ぎ続けます。速報の無段クラスの順位は14位〜16位を行ったり来たり。
これだけ皆頑張っているのに大きく上がったり下がったりすることもありません。ここまでくるとタイムを縮めるにはいかに「ピットワーク」を早くするのかがカギになります。
最終的にF1と同じです。遠方からの接近を発見する者、正面でチャリを受け止める者、足の計測バンドを外し次の走者に着ける者、
後方の安全確認をして指示を出す者、それぞれがそれぞれの役割を果たし、そして最後は全員で魂を込めて送り出します!
後半は約6秒でピットワークが完了するまでに!!

途中、心が折れそうになると美しい富士山が、

「人生は自転車のようなものだ。転ばないようにするには走り続けなければならない。」


と囁いてくれます。

そんなこんなで無事に7時間が終了ーーーーーーー!!!!

走行距離159.705km。

気になる順位は、無段クラス部門13位/78チーム、総合99位/780(エントリー)チームという結果になりました。
ギリギリ99位まで貰える「ちゃんとしたトロフィー」をゲットする辺り、やはりモッテル!!我々は「one team」。やってやりましたよ!!

こんな歳でもまた久しぶりに青春を味わってしまいましたね。全員ほぼ睡眠ゼロでの全力疾走、帰りの運転も激キツでしたが、こんなに心地良い疲れは久しぶりかもね!!

そんなわけで皆さんも何か面白そうなことにチャレンジしてみては如何でしょうか??
東京に戻ってからも「反省会&次のチャレンジを何にするか」で盛り上がりました。
色々話した結果、「チーム戦と達成感」を第一に考えると「欽ちゃんの仮装大賞出場」が濃厚です!!!
まあ遊びも真剣にやる大人が一番カッコいいという結論ですね。

そんなわけでまた来週!!!!