涙でリールが見えない RYO from ケツメイシ

2019.11.19

 先日、「日本の生きるレジェンド」こと「山下達郎先生」のコンサートに行ってきました!現役生活45年、御年66歳!さらに力強さを増す歌唱力!もう凄すぎて化け物でしたよ。
あんなの見ちゃうとヤル気無くしますね。自分が音楽業界でメシを食っているのが恥ずかしくなります。。

歌もすごいんですがMCも面白いんです。よく喋られます。あの美声からは想像できない「アニキー!!」的なオラオラな感じなんです。
今回の会場は区とか役所関係(?)の施設だったらしく、演奏終了も21時絶対厳守だったのですが、

「この会場は音響が素晴らしい。終演時間は無視しましょう!それで今後、出禁になるならばそれまでのこと。。それがロックです。やっちゃいます!!」(先生)

「ワー!!ワーーー!!」(湧く観客)

これが我々の場合だと、

「決まりだと?そんなの関係ねー!『約束と記録、そして袋とじ』は破る為にあるんです!!!」(私)

とか強気なことを言いながら、終演時間の厳しいところは実はキッチリ逆算して時間を守る「チキン野郎」ですからね。
我々の精神は全くロックでもヒップホップでもありません。。意外に真面目でつまらない中年なんです。

 今回のツアーが51公演ってのがまたビックリ。66歳で3時間半をたった一人で歌い切る51本!!4人もメンバーがいる我々は「ダルい、疲れる、面倒臭い(DTM)」で25本位。。。
しかも我々のツアーは2年に1回。。やっぱり音楽に対する姿勢が違います。
達郎先生は半端ない音響への拘りで、音が回ってしまうようなアリーナなどのデカい会場ではやらないことでも有名。
その気になればドームでもアリーナでも簡単にやれてしまうんです。でもやらない。

我々の場合「3000人の会場で4回やるならアリーナ1回がEー!!」と無邪気に叫びます。人気商売ですから、いずれはアリーナも埋められなくなることでしょう。
アリーナでやれる時期にわざわざ規模が小さいところでやる意欲がないんです。あー情けない!!まあ、あと数年経てば人気も落ち自動的に会場の規模も小さくなっていきます。
でも想像すると、、そっちの方が楽しそう。。なんて思ったりもするんですよね。実際クアトロとかZeppでやっていた頃は楽しかったですもん。


 そんなわけで大満足のコンサートも終わり、終演後楽屋挨拶に行きました。15年前の達郎さんのアルバム「SONORITE」で1曲ご一緒させて頂いたご縁です。
よく我々のライブでも事務所やスポンサーさん、ラジオやメディア関係の方々を終演後にお招きして「一言ご挨拶する」なんてのがよくあるんです。
沢山の方々がいて実際一人一人とは話せないのがほとんどです。今回もそんな感じだろうと思って楽屋に行くと。

ん、、、、狭いな、、、

その部屋に一人だけムキムキなカッコいいおじさんがいると思ったら、「え!特命係長じゃん!(心の叫び)」なんと高橋克典さんでした。
やべー喋ることねぇー。こういう場合は挨拶とかした方がいいのかな。。
でもどうせ向こうは俺のことなんて知らねーだろうし、ミーハーなファンと思われても困るから、、黙っておこう。
ていうか待てよ。2組しか呼ばれてないってこと?!!


沈黙の10分、いや20分、、、、

達郎さんがいらっしゃいました!!その後ろに貴婦人が、、えーーーー!!!
奥さんこと「竹内まりやさん」です!ぶったまげたー!!

「おっ、どっちが先輩なの?」

克典さんと私に聞いてきた達郎さん。

「大先輩です!!!」(敬礼で克典さんを指す私)

「面識は?」(達郎さん)

「ございません!!!」(私)

「こちらはケツメイシのRYOくん。」(達郎さん)

「あー、そうでしたか。初めまして!」(克典さん)

すげーカッコいい。お忙しかったのかライブの感想と挨拶を済まされてすぐに帰られました。
残った私。やべー。マンツーか、いやまりやさんもいるから2on1だ。。やべー〜!!

「まあ、座って。」(達郎さん)

「はい!!!失礼します!!」(ビビる私)

私の向かいに達郎さん、その横に竹内まりやさんが着席。20分位話しました。まるで山下家に招かれてリビングでくつろぎながら話したような感覚。
色々話したけど大事なメモリーだからこんなところでは書けません。

「達郎さん、『私はダンサーをはべらしてコンサートをやったこともないし、今後アリーナとかでコンサートをやる気もやる予定もありません。』っておっしゃってたじゃないですか?
アレって、、もしかして我々のことですか??」(私)

「いやいや。違うよ。ククク。」(苦笑いの達郎さん)

「ジャンルが全然違うからいいのよ〜〜。それぞれがそれぞれのやり方があるんだから〜。」と、まりやさんがフォロー。なんかすげーいい夫婦。
なんて言うのかなぁ。なんかいい関係なんですよね。話してて分かりました。大先輩に長く続けるモチベーションとかも伺いました。
20年前の私は「まず生活があり、子供があり、音楽で食えるようになるために必死でやっていただけで、それが落ち着くようになると正直モチベーションの維持が難しい。」
というような話をしたんですが、

「大丈夫、アナタの目はまだ死んでいない。」

と、達郎さんに言われたのが今年最大の収穫でした!

コンサートで達郎さんが

「カッコいい大人になりましょう!」

って、最後お客さんに向かっておっしゃっていたんですが、俺はカッコいい大人になれるのだろうか?カッコいいとは果たしてどういうことなんだろうか?
まあそれを考えながら今後の人生を生きていきたいと思います。みんなも考えてみてください!

そんなわけでまた来週!!!!