土曜日は地元のボクサー「田口良一君」の応援に岐阜まで行ってきました。彼とは4年くらい前に地元のバーで知り合ってからのお付き合いなんですが、初めて会った時はベロベロで「僕、ボクサーなんです。」
なんてダジャレを言われても全く説得力が無く、普段仕事をしていて趣味程度にやってる「しがない4回戦ボクサー」かと思ったら、
実は世界チャンピオンだったと言う驚きの男です。

それ以来、何回も防衛戦を見に行きました。初対面はベロベロでしたが、とにかくストイックな男で、試合が決まると急に戦闘モードになり数ヶ月姿をくらまします。
毎回防衛する度に「いやぁ、良かったねぇ〜。」なんて近所のおじさんたちと祝杯をあげるのが我々の密かな楽しみで、その都度その試合までのエピソードを聞くのがまた興味深いんです。

あんなに痩せてるのに「試合の直前の1週間でさらに7キロ落とす」と言う減量の話は凄まじかったです。サウナに入っても風呂に入ってももうパサパサで汗も出ず、最後はガム噛んでひたすら唾を吐きまくる。
「今回は意識を失って風呂場でぶっ倒れちゃいました。」なんて話を聞くと「ホントすげー世界で戦っているんだなぁ。」と感心させられました。

防衛を続ける中で、やはり気持ちとか精神状態にも波があるようで、「りょーさんはケツメイシで一度売れ出してからどうやってモチベーションを維持してるんですか？」

なんて聞かれたこともありました。

「なんだろうなぁ。最初は趣味で遊びで楽しくやっていたことが仕事になっていって、『売れたいなぁ』って思ってたんだけど、
実際売れたらタイアップとかそういう仕事もバンバン入るようになって本当に有難いんだけど、忙しくなったらなったで、なんかもう『ただこなしているだけ』って感じることもあったりして。
これでいいのかなって思うこともあるんだけど、もうこの仕事で20年もやってるから今更他のこともやれないし、
基本、歌手なんて売れなくなってお客さんが来なくなったら辞めるしかないから、余程売れ続けている人じゃないと自分から辞められる人はいないよねぇ。
モチベーションがあってもお客さんがいないなら辞めるしかないし。。モチベーションねぇ。なんだろうなぁ。
でも結局まだ続けてるのは、綺麗事みたいだけどやっぱりまだ応援してくれてる人たちがいて、ライブとかにもお客さんが来てくれるからかなのかなぁ。。」

なんて言うと、

「そうですかぁ。。やっぱり僕もお世話になっている人を喜ばせたいですし、ホントに近所の人たちも皆応援してくれるので、それがモチベーションになってますねぇ。」

なんて話を昔にしました。近所には彼の試合のポスターがあっちこっちに貼ってありますし、防衛したらしたで、地元の仲間からスポンサーの方まで祝勝会が毎回30回以上あるって言うんだから、
やはり彼の人間性が皆好きなんでしょうね。

　試合は今回の対戦相手「田中恒成選手」の地元岐阜での完全アウェー戦だったのですが、新幹線やバスで大勢の仲間が応援に来ていて、それほどアウェーという感じはしなかったです。
我々近所のおじさん達も田口君の応援旗を持って、選手入場を見守りました。グローブにも「Sammyと猛獣王」の文字。
凄い集中していて眼光も鋭く気合も入っていたし、入場する瞬間を見て「コレはイケるZE。」と私は思いました。

試合はスゴかった。中盤以降押され気味でしたが、最終ラウンドまでもつれる壮絶な打ち合いでした。判定は3-0。大差の敗北でした。

「はぁ〜。あんなに頑張っても勝てないのかぁー。。神様はいねーのかYO！！」

努力が必ずしも報われることのない世の中ですが、あんなに頑張っている男を何故神様は勝たせてくれないんでしょうか？どうにか勝たせてあげたかったです。
負けて退場する際も東京から応援に来た皆がスタンディングオベーションで田口君をねぎらってましたから、皆同じ気持ちだったのでしょう。田中恒成選手は本当に強かったです。

おめでとうございます！それにしても、、くやしー！！田口君が回復したら残念会だ！チキショー！！購入した試合のチケットを送ってくれた封筒には、

「りょうさん、遠くまで応援ありがとうございます。またチャンピオンになります！」

という田口君の手紙が同封されていました。、、、この手紙は今回の話じゃないな。また次の話だ。現役を続けるかどうかも分からないし、次にタイトル戦が来るかも分からない。
もしかしたら違う分野でチャンピオンになるのかもしれない。まああれだけの努力家ならどんな世界でも成功することでしょう。引き続き我々おじさんたちはこの地元の若者を応援します！！

　まあ、そんな勝負の世界で生きる男の生き様に刺激を貰った週末でした。自分の日常が生ぬるく、ホントにイヤになってしまいました！！もうちょっと気合を入れて生きていきたいと思います。

そんな感じでまた来週！！！！！