40代独身男性が結婚できる確率は「数％しかない」という恐ろしい噂がありますが、我々の地元のやり手不動産屋の原田さんもその数パーセントに掛ける一人であります。好みのタイプというか、譲れない条件は、

「ケバくて、タバコを吸わなくて、ガラケーを使っている女子」、

おまけに「家業の不動産屋を一緒に切り盛りし、跡取りとなる元気な子を産んでくれる女性ならば最高」ということらしいです。

一般的なイメージですと、女性はケバければケバいほどタバコを吸う確率が高くなりますし、もはやガラケーを使っている女子はその名の通り「ガラパゴス」。身近なところでは見たことがありません。食事中にスマホを弄る女性が嫌いで、以前交際していた女性が「一緒に家にいても会話もせずにスマホゲームばかりやっていたのに嫌気が差して別れた」というトラウマがあるようなのです。

私も25歳までタバコは吸っていませんでしたが、当時付き合っていたケバいヨメがバカバカこれでもかと吸うので「煙を浴びるなら煙の中に入ったほうが楽だろう」ということで吸うようになりました。それまでの人生で「吸う」と言えば「乳首」だけでしたから、結婚を意識するとなると何かしら妥協しなければならないのでしょう。

　そんな原田さんから地元に住む後輩が婚活の一環として「合コン」を依頼されたようです。今住んでいる家を探してきてくれたのも原田さんですし、私を保証人とすることで大家さんと交渉してくれたのも原田さんです。言わば今、平穏無事に暮らせているのは原田さんのお陰であり恩人なのです。その「合コンの日程が決まった」という話を聞き後輩を呼び出します。

「その女子たちはどんなメンバーなの？」（私）

「いや俺の彼女の友達です。俺と彼女が幹事みたいな感じすね。」（後輩）

「彼氏は？タバコは？ガラケーは使ってるのか？」（私）

「俺の彼女以外は恐らく彼氏はいなくて、タバコを吸ってる娘はいないと思います。ガラケーはさすがに、、使ってないですね。」（後輩）

「そうか。ご苦労さん。俺ら街のおじさんたちは本当に原田さんに幸せになってもらいたいんだ。ちょっと不器用だけどあんな真っすぐな人いないだろ？」（私）

「そ、そうですね。」（後輩）

「ところでみんな何歳くらいなの？」（私）

「25,6歳だと思います。」（後輩）

「ていうことは、原田さんが確か42歳だから、15,6歳差か。まあギリ大丈夫だろ。ところでちゃんと結婚を前提というかそういう気持ちで合コンに参加してくれるんだよね？女子たちは。」（私）

「、、、ちょ、ちょっとそこまでは考えていなかったんですけど、、まあ楽しくおしゃべりして飲んでLINEの交換とかして、その後に繋がるきっかけになればいいなと思ってます。」（後輩）

「まあそうだな。でもメンバーが気になるなぁ。ちょっと彼女に電話して！」（私）

プルプル、、「もしもし、あの合コンなんだけどメンバーって俺の知ってるあの娘とあの娘だろ？あとはどんな娘が来るの？」（後輩）

電話を奪い取る私、

「もしもしお電話代わりました。田中です（テレビ電話に切り替える）。みんなその女子たちはどんな気持ちで合コンに参加してくるのかな？」（私）

「どんな気持ちって、、言いますと？」（彼女）

「いやいや将来の伴侶を見つけようとかさ、、そういう前向きな感じなのかなと思って。」（私）

「いやいや、そんな重い感じじゃなくて普通の飲み会なのかなって思ってます。」（彼女）

「なるほど〜。で、例えば15歳とか20歳位上の人ってどう思う？そのなんて言うのかな、恋愛の対象としては？」（私）

「えーー！それって40歳とか45歳の人ですか？！ムリムリムリムリ！！キモいです！！お父さんとそんなに変わらないしー！」（彼女）

「あ〜、、そうだよね。おじさん今年で46歳なんだよね。。ちょっと彼氏に代わるね。」（私）

後輩に携帯を返す。会話はスピーカでまる聞こえ、、

「なんかアンタややこしいことになってんじゃない！！アンタただ金持ちのおじさんと美味しい食事をしてサラッと飲んで帰るだけって言ってたじゃん！！」（彼女）

「＃＄％％＆＆＆＃＃分かった分かった！また電話するわ！じゃあね！ガチャ！！」
（焦って電話を切る後輩）



、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、




「お前、、、原田さんの気持ち分かってるよな？純粋なおじさんの気持ちをもてあそぶんじゃないぞ。。」

「、、、、、、、はい！！お任せください！その合コンが終わった瞬間、その雰囲気と盛り上がりと感情が一気に伝わる写真を、たった1枚の写メでご報告します！！」（後輩）

う〜〜ん。合コンっていうのも難しいものなのかな。まあ宝くじだって買わなきゃ当たらないし、合コンだって行かなきゃ始まらない。

そんな合コンは次の18日。おじさん好きなマニアックな女子が居ますよう、原田さんの幸せを祈ってやみません！！当日は欠員が出た際の補欠要員として私も待機します。

そんな感じでハッピーな知らせがあればまたご報告します！また来週！！！！！

では！素晴らしい1週間を！！