涙でリールが見えない RYO from ケツメイシ

2018.09.18

 日曜日は朝っぱらから埼玉県は所沢市に在ります「西武ドーム(メットライフドーム)」へ行って参りました!人生初の所沢です。その目的はと言いますと「来月のライブの下見&メンバー大蔵氏始球式のお付き合い」です。

「始球式」と言えば、スポーツ紙の見出しで「橋本○奈ノーバン始球式」を

「なぬ!!ノーパンだと?!」

と、思わず釣られてしまう例のアレです。

 最近の始球式は「ノーバン」でお馴染みの「アイドル系」、そして「稲村亜美投手や樽美酒投手」登場以来、100キロ超えが当たり前の「ガチ系」の二極化が進んでいます。我がケツメイシメンバー大蔵氏は野球未経験とはいえ筋肉代表(最近はトライアスロンにも着手)ですから、当然本人はガチ系希望です。始球式が決定して以来、友人の吉見祐治先生に師事しコソ練を積んでいたようで、110キロも出るようになったそうです。

 始球式当日、普段は現地集合現地解散が基本のケツメイシですが

「所沢って果てしなく遠いらしいんです。余裕をみて3時間取ってます。遅刻されると困るのでお迎えに上がります。」

と、マネージャーつばさ氏がスゲー朝っぱらから迎えに来てくれました。「腹減った。さすがに3時間は掛からないんじゃないの?富士そば食ってから行こうぜ。」なんていう私の誘惑にも

「ダメです!絶対遅刻できないんで、即、大蔵さんのお家に向かいます!」と全く乗ってきません。

 大蔵邸到着。「どう大さん?肩は仕上げてきたの?」(私)

「ええ、7割方肩は仕上がったんですが、心が仕上がっていません!ペナントレース終盤の満員の球場を想像すると流石にビビりますね。」(大蔵氏)

「まあそうだよねぇ。ジャンルが違いすぎるもんなぁ。」(私)

カバンから何やら取り出す大蔵氏。

「何それ?」(私)

「手首の仕上げに入ります。」(大蔵氏)

チューブを取り出して、グリグリ手首に負荷を掛けてます。

「もう止めれば?、、本番に響くんじゃないの?」(私)

また何やらカバンから取り出してペットボトルの水に溶かしてます。

「今度は何それ?」(私)

「アミノ酸とクエン酸です。持久力向上、疲労回復です。」(大蔵氏)

「プレドニゾロンは?」(私)

「ステロイドはダメです。ドーピングになります。尿検で引っかかりますよ。」(大蔵氏)

「始球式に尿検なんてねーから!」(私)

「それにしても、、辻とか秋山とかデストラーデに会えるのかなぁ?」(私)

「それ30年前の話ですYO!でも辻さんは今、監督やられてますよね。」(大蔵氏)

「そうなの!?俺のライオンズの知識は30年前で止まってるからさぁ。失礼が無いようにしないとね。」(私)

などとくだらない会話をしつつ、やはり所沢は遠かったです。渋滞の連続で3時間弱掛けて到着。


 控え室のようなところに連れて行かれると、そこには「RYO6」「DAIZO9」と背番号の入ったライオンズのユニホームがテーブルに置かれています。「やべーうれしー!!」とブチ上がります。早速コレを着て弁当を食べる私を横目に、大蔵氏はタオルでシャドウピッチングをしています。

 すると西武球場広報の方がいらっしゃいました。

「監督にご挨拶出来ます。いらしてください!」(広報の方)

「、、、、、、、いやいやいや!こんなシーズン終盤の大事な時期に、しかも試合直前に、、申し訳無いなので止めておきます!!」(私)とは言ったものの、

「いえいえ是非どうぞ!」(広報の方)

なんて言われたので、選手たちがグランドに抜ける通路で大蔵氏とともに直立不動で待つ事3分。辻監督がいらっしゃいました。デ、デカい。。テレビで見る現役時代の辻選手はそれほどデカい印象はなかったのですが、やはり生で見るとプロ野球選手はデカい。イチロー選手とかもスマートに見えるけど生で見たらデカいんだろうなぁ。

「あーどうもどうも!!よろしくね!」(辻監督)

「申し訳ありません!!こんな試合直前の大事な時間に。。」(私)

「あー全然全然、写真でもとりましょかね。はい、チーズ!!パシャ!じゃあ行ってきまーす!」(辻監督)疾風の如くグランドに向かわれていきました。

「、、、、、、、、ヤベェ。。うっしっし。辻監督と話しちゃったよ。。握手までしてくれて、、すげー良い人だったね。やっぱり監督になるくらいの人は人格者なんだねぇ。」(私)

なんて話しながら控え室に戻る途中、今度は助っ人外国人、メヒア選手とすれ違う。


「、、、、、、、、、デ、デ、デ、デケェー!!!」(私)


私が45年生きてきた中で間違いなく一番デカい人とすれ違いました。たぶん2m位なんですが、体が異常に分厚く、北斗の拳のラオウ氏並にデカく見えました。あんな方々が闘っているんですから、「プロ野球」という舞台は本当に一流も一流のほんの一握りの人間しか立てない物凄い舞台なのでしょう。

 控え室に戻り、球団広報の方と打ち合わせ。大蔵氏の始球式は3球バージョン。ライオンズマスコット「レオ氏」との対戦形式。時間は4分。テレビ埼玉の生放送があるので余計なボケはNGと念を押されます。時間にシビアで台本も2パターン用意されていました。すぐに呼び出されグランドへ。

 超満員のグランド。グランドレベルから見るスタジアムは壮観で、ここに立ってプレーをすることが如何に凄いことなのかが改めて分かります。地面の人工芝にタッチ。結構硬いです。こんなところで滑り込んだり、ダイビングキャッチしたら摩擦でヒリヒリ&大火傷することでしょう。これから大蔵氏が上がるマウンドを眺める。プロ野球中継を見ていても全然わかりませんが、これまた結構な高さがあります。

「すげーなぁ。。大蔵。。あそこに立つんだぜ!?」(私)

と振り返り大蔵氏に話しかけると、さっきまで横にいたはずの大蔵氏はそこには居なく、ライオンズの選手を捕まえて投球練習をしていました。最終調整に入ったようです。5球、10球、なかなか良いボールが入っています!、、15球。。

「もう止めろー!!肩を壊すぞ!投球制限オーバーだ!」と、もう何連投もしてる高校球児を制止する監督の気分です。

戻ってきた大蔵氏に「どう?イケそう?」と聞くと、

「ボールの縫い目が指に吸い付いてくるようになりました。土壇場で仕上がりましたよ(ニヤリ)。」(大蔵氏)


 場内アナウンスに呼ばれマウンドに上がる大蔵氏。祈るような気持ちで眺めます。バッターボックスにはライオンズマスコットキャラ「レオ氏」が入ります。レオ氏の中身がどなたかは分かりませんが、素振りを見る限りただの素人ではありません。まあバク転もこなしますし、引き締まった体型を見ても身体能力が高いことは間違いありません。

「レオは本気で打ちに行くってガチで練習していましたよ。」とは球団広報の方。

場内アナウンスの方、ライナ氏(レオ氏の妹)、私がホームベース後ろで見守る中、

第1球!

、、、、、、、、、、、、

とんでもなく左に逸れます。後から大蔵氏に聞いた話ですが、初めて立つマウンドは結構高く、投げ終わった後は地面に潜り込むくらい足が取られるそうです。前のめった分、左に大きく逸れてしまったようです。


第2球!

、、、、、、、、、、、、、

今度は背中をかすめる位大きく右に逸れます。先ほどの左を意識しすぎて修正した結果だと思われます。。。


やばい。やばいぞ。大蔵。。これで1球もストライクが入らなかったら、、、、ダダ滑りや。。球場全体がとんでもない雰囲気になるぞ。。頼む、、頼む、大蔵、、、入れてくれーーーー!!
!!!!

第3球!

、、、、おっ、ど真ん中!!レオ氏打った!!!!!サードゴロ!!


、、、、あれ!誰も居なかったはずのグランドなのに、なぜかサードにハリー氏(ソフトバンクホークスマスコット)が守備についてるーー!!



ト、トンネルーーーーーー!!!!!!!!!!


「ウォーーーー!!!!」


西武ファンの皆さんが盛り上がります。




、、、、、、、、いやぁ、良かった。誰もが予想していなかった奇跡のオチです。


次の我々の西武ドームのタイトルが「ケツメイシ LIVE 2018 お義兄さん!! ライナを嫁にくださいm(_ _)m in メットライフドーム」ということで、「義兄レオ氏に勝負を挑み、ライナ氏との結婚を認めてもらう」というのが今回の始球式の裏テーマでした。大蔵氏の本気度をお義兄さんレオ氏がチェックするという流れだったんですね。

「結婚してください!」と手を差し出しプロポーズする大蔵氏に、やはりライナ氏は、

「私は大蔵さんより西武ライオンズを応援し続けること選びます!!」

と、大蔵氏を振って一件落着。めでたしめでたし。


 そんなわけで、来月の西武ドームライブのいい予習になりました。我々歌手はステージ前方、右左にお客さんがいて何万人にも見られることには慣れていますが、あのピッチャーマウンドに立って全方向をお客さんから見られるという経験はありません。大蔵氏のプレッシャーは相当なものだったと思います。こればかりは本当にあの場所に立った者にしか分からない圧ですね。大蔵氏お疲れさまでした!!


翌日、筋肉疲労マニアの大蔵氏からは「今回は野球肘がご褒美です。」と報告がありました。西武ドーム(メットライフドーム)関係者各位の皆様方、来月も宜しくお願いいたします!!!!

それではまた来週!!!