涙でリールが見えない RYO from ケツメイシ

2018.02.28

 平昌オリンピックも閉幕!あの「マススタート」っていう競技、高木菜那選手が最終コーナーでオランダ人選手をインから刺して金メダルを獲得したアレ。物凄いですね!震えましたよ。
なんでこんな気持ちになるんだろう?って考えたら、アレはあの正月の西宮神社の「福男いただきます!」的なヤツや、
競馬や競輪で最後の最後でグァーって追い込む感じのヤツに凄く似ているから見る者を熱くさせるのだと気付いてしまいました。そう競馬に似てるんです。

そんな私、実は先週大井競馬場に行ってまいりました。そう、小学校の同級生、北原君がなけなしの300万で購入した馬=「カラフルロマンス」のデビュー2戦目の応援の為です。
前回のデビュー戦は大本命にも関わらず、最終コーナーからの鼻出血による大失速。まさかの4着。「優勝すると口取り写真っていう記念撮影があるから全員正装で来てね!」
なんて言われて着ていった正装も無駄、優勝賞金をアテに豪遊する予定だった銀座の料亭もキャンセル!大井競馬場から出てる無料シャトルバスに無言で乗り、
大井町の100円でマグロが山盛り食える安居酒屋でのお通夜のような反省会からのヤケ酒。あの屈辱は忘れられません!レースでの借りはレースで返す。

鼻出血での出走停止から放牧を経て8ヶ月、ついに2戦目です!!

当日、大森駅から京急バス「大井競馬場行き」に乗り込みます。平日の午前中だというのに、ニット帽に全身ほぼグレーな「田中邦衛&競馬新聞スタイル」のおじいさんたちで溢れています。
バス内、正装は私ただ一人。ちゃんとした路線バスなのになぜか無料なのは競馬業界との忖度があるからなのでしょう。一見豊かな日本のダークサイドを見た気がしました。

大井競馬場に到着後、北原君に会い上の喫茶店でビールをしこたま飲みながら、競馬新聞3紙とにらめっこ。その道のプロ、北原君の個人授業の始まりです。
カラフルロマンスは6枠10番。速い逃げ馬の2頭をすぐ内側に見て進められるからなかなか良い位置だと。
おそらく3番手につけ、直線で逃げ馬を捕らえ先頭に立ち、もう1頭外から刺してくる1番人気との一騎打ちになるだろうとの読み。

ところが競馬新聞のほとんどが4番から5番人気。やはり出走停止からの復帰戦、皆さんその実力には懐疑的なようだ。。前回は大本命でデビュー戦ということもあり、
ご祝儀代わりに我々が単勝でかなりの金額をブッ込んだ瞬間、一時は1,2倍。直前でもオッズは2倍位でした。
「う~ん。何を買っていのかサッパリ分からん。」
競馬ド素人の私は何を買っていいのか、全然分かりません。とりあえず数紙の競馬新聞でも1番人気になっている馬とカラフルロマンスを絡め、三連複で多めに、三連単で少々、
単勝で1万円買うことにしました。1番人気の馬の騎手について「彼は天才。でも私生活に少々問題があってね。
しばらく出走停止になってたんだよ。でもやると思う。」とは北原君のアドバイス。早めに馬券を買って飲みながらパドックを見に行きました。
間近で見る競走馬はやはりデカイ。ライバルたちは皆速そうです。。特に黒毛の馬の黒光りするケツはジャマイカのレゲエダンサーのようでプリッと上がっていて凄まじくカッコイイ。
カラフルロマンスの方はと言うと「ブルルン!!」なんて言って落ち着きがなく、右に行ったり左に行ったり、全然厩務員さんの言うことを聞いていません。
また喫茶店に戻り北原君に報告。

「まるー(北原君の名)全然アイツ言うこと聞いてなくて落ち着きがなかったんだけど大丈夫かな?」(私)
「大丈夫。。俺は単勝と複勝で1000円ずつしか買ってないから。」(北原君)
、、、、、、、忘れていました。彼はギャンブルとしての競馬が好きなわけではなく、純粋に生き物としての馬が好きだったということを。。さらに悪い知らせは続きます。
1番人気の馬の騎手が体調不良のため変更になったと。なかなかの暴れ馬らしく乗りこなしには技術がいるそうなんです。

「体調不良とか言って、、こんな直前に。。ぜってぇ二日酔いだろ!ふざけやがって。」(私)
「あり得るね。」(北原くん)
レース数分前、馬券の販売も締め切られました。最終的には14頭中5番人気。オッズは単勝11,0倍も付いています。コレはそれほど期待されていないということね。
また無料送迎バスで100円マグロ盛りを食わなきゃいけないのか。。。させるかーー!!!我々カラフルロマンスサポーターはゴール前に陣取ります。

「テッテテ、テッテテテ、テッテテテ~~!!ガシャ!!」
あっけなく始まります。
「あれ、あれあれあれ、、、、、、、」(私)

例の直前に騎手が変わった馬は全然走ってくれません。最初から三連単、三連複の望みが消え、あとはカラフルロマンスが1着でゴールするしかなくなりました。
最終コーナーを過ぎた直線入り口では単独先頭。前回と同じパターンです。

「イケーーーーーー!!!!!ゴー!!カラフルロマンス!」(←そんなに競馬知らないのに雄叫びを上げる我々おじさんたち)
「あれれれれーーー、ヤベーーーーーー!!!!」(我々)
競馬新聞にこれっぽっちも印も付いていなかったノーマークのヤツが内側からガーッと出てきました。
「ヤベーーーー!!マジかYOーーーーー!!!!」(我々)
「アーーーーーーーー!!ダメか。。」(我々)

ほぼ同着。。
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

「どっちだ!どっちだ!」
電光掲示板を祈るような気持ちで一同見つめます。

、、、、、、、、、、、、、、、約20秒。
「1着 10番 カラフルロマンス」
「キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」(我々)
ハナ差での勝利!!
「やった。。」

北原君は興奮を押し殺すような静かな喜び。出走停止から何度も北海道の牧場に足を運び娘(実の娘とは別に「4本足の娘」と彼は呼んでいる)の動向を気にしていた彼。
我々のようにニワカサポーターとは思い入れが違うからこその喜び方だったのでしょう。
競馬場脇にある撮影場所で例の「口取り写真」を筆頭馬主北原君、仲間の一口馬主の皆さん、そして何にも関係のないただの飲み仲間のニワカサポーターの我々でパシャり。
前回はこのエリアの柵の外から「くそー」なんて見ていた憧れのエリアです。

「馬の後ろに立たないでください!!」
ニワカの私は怒られます。馬の蹴り一撃で人間は内臓破裂で死ぬそうです。いやぁ、それにしてもまさかホントに正装で行って記念撮影ができるとは。。いい経験させてもらいました。
一口馬主の皆さんは単勝で10万とか買っている人たちもいて別室で換金。最近、生の現金なんてそんなに見る機会がないですから久々に札束を見ましたよ。

競馬場を後にして祝勝会。今回は無料シャトルバスではなく豪勢にタクシー移動。100円のマグロ山盛りではなくホテルでのシャンパン&肉ランチです。奢ってもらっちゃった!
北原君の皆への感謝スピーチも泣けたなぁ。一緒に行ったニワカサポーターのダンサーTAKEも1万単勝で買っていて、
今年子供が生まれるもんだから「オムツ代でます!!」なんて言っててね。いやぁ楽しかった。

というわけで、我々は今後ともカラフルロマンスを応援します!!
そんなわけでまた来週!!