涙でリールが見えない RYO from ケツメイシ

2017.10.18

 腰痛デビューから2週間、あの突然「チリッ!」と来る恐怖からも解放され、痛み止めも飲まず、コルセットを巻き巻きすれば長距離の二足歩行も可能になりました。
先週のレコーディングでも恐る恐るブースに入りましたが、シャウト系の曲ではなかったので全然大丈夫。それでもまだスキップはできませんし、
高速BPMで腰を振ることもできませんし、走るなんて以ての外。くしゃみは殺しながら生きています。
もう1週間位静かに暮らし、酔っ払いに絡まれても全速ダッシュで逃げ切れるようになったら本格的にお酒を再開したいでーす!!

 そんな話をスタジオでしてたら、我々のレコーディングをいつもやってもらっているエンジニアの安宅さんが
「あーりょーさんもなの?俺もホラ?」
なんてTシャツをペロってめくったら、がっちりコルセットを巻いておられました。もうヘルニアの手術も経験済み。ベテランです。
この私の6個上の大先輩は、毎の長時間の座り仕事と運動不足も手伝って、51歳ながら目下「成人病」真っ盛りのようです。 「今までで一番痛いのなんでした?」
と私が聞くと、
「もうね、断然、尿路結石だね!!」
と即答されました。
結石が尿管に落ち、途中で止まっている状態だというこの尿路結石は、「痛みの王様」と呼ばれるほど激痛で、出産に並んで史上最強の痛みだとか。
寝返りも打てず、と言うか痛すぎて1ミリも動けず、、救急車が迎えに来ても「頼む、、もう俺を殺してくれ!」位の痛みなのだそうです。
「こえ~!!」
話がリアルすぎて一同鳥肌が立ちました。50代になって同窓会とかに行くと、ひとしきり昔話をしたら、もう「病気自慢」が延々続くという話は聞いたことがありますが、
あながち嘘ではないようですね。ちなみに80代の父上が同窓会に行くと半分は死んでいて
「もう俺はお釣りの人生だ。好き勝手に生きてやる。」
が父上の口癖です。

 我々の長い長い夏休みも終わり、そろそろ曲を作ろうかなんて話になり、自宅のリビングであぐらをかきながらシコシコ歌詞を書いています。
長女のRADWIMPSが爆音で流れ、次女のテレビの「サザエさん」がこれまた爆音で流れる中、小さなラジカセに耳をすませ縮こまりながら歌詞を書いている姿は我ながら泣けてきます。
「コンサートツアーを周る」というのが我々歌手にとっての最大の仕事ですから、コンサートツアーを周る前に「アルバムを出す」、
アルバムを出すには「しこたま曲を作る」しかありません。

遊びで歌詞を書き始めたのが24年前、インディーズでCDを出したのが18年前、メジャーで出したのが多分16年前。アルバムを10枚も出すと、「あれ、こんな感じの曲前にやったかも。。」
の連続です。 昔ならビートを聞けば「曲のテーマ」がじゃんじゃん降ってきて、1日に4、5曲はバンバン作っていたものですが、最近はもう亀さんのごとくスロー。
昨晩もピタッと筆が止まり、近所のバーに逃げ込みました。いつもの常連のおじさんたちは大体私より先輩のアラフィフですが、
一緒に飲みながらラップを口ずさんだりもする陽気なおじさんたちです。

そんなおじさんたちに、
「このビート聞いてどんなイメージが湧きます?」(私)
なんて聞くと、
「ああ、この曲はもう夜景が見えるね。それでひとり酒。でも女口説いてる自分が見えるの、オナニストラプソディーだね。」(おじさんA)
「なるほど!!」(私)
「こっちの曲は『燃えないゴミはどこまでだ?大田区はCDも燃やせるぜ!』ってのはどう?」(おじさんB)
「いいですねぇ。」(私)
「じゃあこっちは『2060年、疑似恋愛VRソープ』じゃない?そんでこれはそうだなぁ『デカ尻、和尻洋尻いろいろある。でもおいらはやっぱブラジリア』ってのはどうかしら?」(おじさんC)
「フムフム、なるほど~そうきましたか!ありがとうございます!!」(私)
などとビートを聞きながら死ぬほどアイデアをもらいました。やはりアラフィフおじさんの意見は参考になる。お陰で今日はサクサク書ける。私の周りは天才ばかり。
私も天才とまではいかなくても秀才くらいに生まれたかった。そう、凡人は努力でカバーしなければならない。
ということでまたシコシコ書きたいと思いまーす!今週も一歩ずつ着実に進んでいきましょう!
ではまた来週!!!!!