Chapter 01
仲間と自分の「おもしろい」をさらけ出し、判断する。
学生時代からパチスロが大好きでした。ホールのアルバイトをしていた4年間は、バイトが終わったらそのまま打ちに行く、なんてことも日常茶飯事。若者からお年寄りまで夢中になれるエンタテインメントって、世界中探してもなかなかないと思うんです。あの「脳汁が出る」瞬間――自分が夢中になってきた最高のおもしろさを、今度は自分の手でつくりたいと思ってサミーに入りました。
そうして入社以来8年間、遊技機の企画開発を続けています。これまで世に出したのは、アシスタントとして関わったものも含めて3機種。今は4機種目を開発中です。企画の仕事は、コンセプト立ち上げからホール導入まで2~3年にわたります。その間に映像、サウンド、出玉設計、営業など仲間がどんどん増えて、最終的には20人ほどのチームに。メンバーそれぞれが自分の専門性と「おもしろい」をさらけ出せる場をつくるのも僕の大事な役割です。意見がぶつかることもありますが、そんな時は一晩寝かせて頭を冷やし、フラットに話し合います。最終的な判断は自分の「おもしろい」に従う。それが企画の責任であり、何百回も議論を重ねて一台をつくり上げる醍醐味です。
Chapter 02
好きだから、苦しくてもポジティブ。
僕にとって大きなターニングポイントになったのは、入社2年目の頃のこと。ゲーム性の検討で行き詰まった時、先輩から「遠いところにこそ新しいアイデアの種がある」と言われたんです。競馬のオッズや鹿おどしの音、街中のタイルの模様…。一見関係なさそうなものが演出のヒントになる。そこから僕は日常のあらゆるものを“種”として捉えるようになりました。最近は「1日1大喜利」を日課にして発想トレーニングをしています。先輩のあの言葉で、大切なことに気づくことができました。
仕事なので、もちろん苦しい時はあります。それでも毎日ポジティブに働けるのは、やっぱりパチスロが大好きだから。初めて自分が企画した台がホールに導入された時は、嬉しさと不安で胸がいっぱいでした。自分が打つ側からつくる側になったんだ、と実感した瞬間です。僕のつくった台で遊ぶお客さんを見て、「狙い通りにここで気持ちが動いてる!」という様子を目の当たりにした時は、心のなかでガッツポーズを決めましたね。
これからの目標は、この時代を代表する大ヒット機を開発すること。ホールに行った人の誰もが「一度はあの台を打った」と言えるような存在を、いつか必ず生み出したいです。