涙でリールが見えない RYO from ケツメイシ

2023.10.17

 先月、まだムシムシの暑い頃、事務所の納涼会があったんですが、久々に後輩たちに会ったんです。

後輩って言っても同じ事務所に所属しているっていうだけで、普段はそんなに接触も無く、スタジオでたまに会ったら挨拶するくらいの薄ーい関係性なんです。

我々はこの定期的に行われる事務所納涼会を「面倒くさいからヤダ!」っていつも言ってるんですが、社長がとんだパーティー野郎でね。なんだかんだでもう何年もやっています。

でも行ったら行ったで結構楽しんですよ。所属歌手だけじゃなくて、全社員強制参加ですから、普段は事務方で真面目な顔してパチパチパソコン打っている熟女が、とてつもなく酔っ払って呂律が回ってなかったり、酔った勢いで社長に、

「管理料のパーセンテージの見直しをお願いします!!」とか、

「この先、いくばくも無いんで、我々、歌手陣営にも退職金制度の導入をお願いできませんかねぇ?それによっては独立を見据え、今後の活動を考えさせていただきます。えへへ。」

などと、甘えてみたり、好き勝手やっています(笑)。

ただ、この納涼会もコロナもあって久々だったから、昔よくしてくれた社員さんが辞めてたり、所属したけど結果が出なくて辞めた後輩たちもいるし、なかなか厳しい世の中です。

事務所の平井大くんとは初めて3分以上喋ったし、湘南の半澤くんは朝までスナックでカラオケしたし、新しい学校のリーダーズなんて今すげー売れててビックリしちゃうよね。

彼女たちももう結構長く居るんじゃ無いのかな。彼女たちがたぶん高校生くらいの時、この納涼会って所属の人たちが壇上で挨拶するんですけど、チームでフォーメーション組んで、

「我々は〜***で、***である!」

みたいな感じで自己紹介してて、すげー面白かったんです。今思えばもうスタイルは確立されていたんですね。

この日の納涼会の後も、すぐシンガポールにライブに出かけたみたいだったんですけど、ホントにすごいなぁ!売れたなぁ。。おじさんは嬉しい。もう娘より年下だから完全にお父さん目線。どうしたら売れるのか今度、会ったら教えてもらおうっと。

なんでこんな話になったかというと、納涼会で後輩の美声の小林くんが擦り寄ってきて、

「今度、りょーさんとお食事してぜひお話を聞きたいです!」

なんていうもんだからカワイくてね。しかもお母さんが俺より年下の美熟女らしいからお近づきのチャンスがあるかもしれないんで、

「じゃあ、今度飯でも行こうよ!」

なんて言ったんですけど、そもそも俺がアドバイス出来ることなんてあるのだろうか。我々のグループには美声の持ち主はいないし、聞かせるというよりバイブス重視なグループだから、そもそもジャンルが違いすぎる。。彼自身もすごい動画再生数のある曲もあるしなぁ、、でももう5年位事務所にも所属してて今後の方針とか色々悩んでるのかしら、なんて思って、、

「じゃあ、全然参考にならないかもしれないけど、1回俺のレコーディング見に来てよ。」

なんて声を掛けて、レコーディングを見にきてもらいました。歌詞の「一人称とか二人称」とか「16小節あったら起承転結をどうする」とか、「もしかしてこの曲は最後の2小節を先に決めて、それに向かって書いてます?」とか、「ポップスにおける韻のバランス」とか、色々疑問があったみたいで、

「良い質問ですねぇ。」

って、思わず池上彰みたいに言っちゃいましたよ。結局、あんまり参考にはならなかったかな(笑)

まあ、我々のアルバムの仕事が終わったらゆっくり忘年会でもして、お話を聞いてあげようと思います。

頑張って欲しい。

売れることが全てでは無いし、好きなことをやって売れる人なんてほんの一握りの天才だけだし。やっぱり私の場合は仕事なんだけど、彼もせっかく不安定な音楽業界で勝負に出て夢を持って頑張ってるんだから、どうせなら売れて大きな会場でライブ出来るようになって、それを日頃お世話になっている両親とか仲間たちに見にきてもらって、その大切な人たちに喜んでもらって恩返しすることができたら最高なんだよな。結局、それに尽きます。

なんて事務所一番の古株のおじさんは思っています。今週は真面目に過ごしていてこのコラムも全く書くことが無くて、1ヶ月も前の事務所納涼会のエピソードをお届けしました。

今週も生きていきましょう!!ではまた!!