先日、年に4回位しか行かない事務所に久々に行くと、マネージャーの新井くんから、

「りょうさん、お便りが来ています。お誕生日のお祝いコメントが欲しいそうです。」

なんて言われました。こういうメッセージをたまに頂くのですが、困ってしまいます。

だってその方の事を何も知らないものですから。。

よく「僕たち、今度、結婚するのでお祝いコメントを動画でください！」とか、

「大喧嘩して旦那が3日間帰って来ません。どうすれば良いですか？」とか、

「息子が家業の酒屋を継いでくれません。尊敬しているりょーさんに言われれば継ぐと思うので、説得して頂けますか？うちは8代続いている酒屋です！」

といった感じのメッセージです。大変ありがたいのですが、結婚お祝いの動画といっても、その2人の馴れ初めとか何も知らないですし、昔からの友達で2人のことを色々知ってるなら送りますが、この場合はそもそも他人ですし、何を喋って良いのかも皆目見当もつきません。

旦那が帰って来ないのは、ウチじゃなくてそもそも警察に電話するべきですし、息子が実家を継がないのは「俺が継ぐ！」って思うほど家業が魅力的でない可能性があります。

それはおウチでじっくり話し合うべきでしょう。

色んな思いがあってこういうお便りを頂くのは理解出来ますし、とても嬉しいのですが、

「アイツらこっちがわざわざ手紙書いてんのに返事もよこしやがらねぇ。ふざけやがって！」

とか思わないで下さい！こちらは戸惑っているだけです。調子に乗ってるわけでもありません。

いずれ近い将来引退が訪れ、こういったお手紙ですら頂けなくなることは重々承知しております。ホントに戸惑っているだけなんです。

で、話は元に戻って、例のお誕生日お祝いコメントを求められた件なんですが、差出人を見ると「千葉市動物公園」ってなっていて、「意味分からないなぁ。。」と思いつつ、中を見てみると「千葉市動物公園　レッサーパンダ風太」って書いてあったんです。

え、もしかして風太くん、いや風太さん？？

そうです。皆さんもご存知のあの風太さんです。

覚えていらっしゃいますでしょうか？時は2005年、「千葉市動物公園、雄のレッサーパンダ　風太くん」は背筋をピンと伸ばし、二本足でビシッと人間みたいに立ち、その立ち姿の美しさと愛らしさからニュースやワイドショーで取り上げられ社会現象になりました。

で、風太さんと私の繋がりは何かというと、2007年4月11日に発売されたシングルのカップリング曲に「カーニバル」という曲があるんです。

まあこの曲のテーマとしては「楽しみにして待ち焦がれたお祭りやイベントで全力でブチあがろうぜ！」という大変浅はかなパーティーソングなんです。

で、その中の私の歌詞に

「待ち焦がれた分だけ盛り上がる　寝そべった風太まで起き上がる　みな騒ぎ出す　やがて輪ーになる　待つ甲ー斐ある　それがカーニバル」

という、一節があります。「盛り上がる」と「起き上がる」という簡単な韻を踏む為だけに、当時話題になっていた風太さんを「上の句」に使ったんです。

寝たきりだった風太くんも思わず立ち上がってしまう程、祭りは「やべーぞ」という事ですね。

歌詞に固有名詞を使うというのは、メジャーデビューしている歌手にとっては非常に気を使う場面なんです。訴えられたり、あるいは権利を主張されたりしたら厄介ですからね。

それでも、別にこの曲はシングルのカップリングであり注目度が低いこと、そして風太さんはそもそも人間でないから大丈夫であろう、という総合的判断によりリリースされました。

アレから10年以上が経ちこの曲は成長しました。シングルのカップリングにすぎなかったこの曲は、ツアーや夏フェスの最後で歌われたりする曲になっていったのです。

そうです。私は個人的に物凄く風太さんにお世話になっていたのです！！ということで、

「風太さん20歳おめでとうコメント」

を撮りました。風太さんの20歳は人間で言えば80歳オーバー。ヨメのチィチィに先立たれ（15年死去）、最近じゃ体力も衰え、白内障を患っているらしい。それでも子供たちは8頭以上、孫は20頭以上もいるそうです。

おめでとう風太さん！本当に良く頑張りました！！でも、もう一度、我々はあの「ビシッとした立ち姿」、出来れば腕を組んだ風太さんの「仁王立ち」が見たいっス！！

そんな風太さんのお誕生日は大谷翔平選手と同じ7月５日、明日です。千葉市動物公園ではお誕生日イベントもやってるみたいだからホームページでチェキ！！！

風太さん、僕らもまだまだ歌わせてもらいます。風太さんは歌の中でも生き続けますが、現実の世界でもまだまだ長生きしてくださいね！！！

そんなわけでまた来週！！